発達障害とは、神経発達の一環として生じる脳の発達や機能に関連した脳の障害の名称のことをいい、 認知、言語、社会性、行動などの面で困難を抱えることが特徴です。 本記事では、発達障害の主な特徴や症状や向き合い方について、そして周りの人はどのように接すればいいか? ということについてお伝えしていきます。
①発達障害の特徴や症状はどのようなもの?
発達障害には「自閉症スペクトラム(ASD)」「注意欠陥多動症(ADHD)」「学習障害(LD)」が挙げられます。「自閉症スペクトラム(ASD)」
- 相手の表情などの非言語的サインから気持ちを汲み取り、共感し、相手の気持ちを考えて発言する、 などのコミュニケーションが苦手で、対人関係でのトラブルが多い。
- 食事や睡眠などの日常生活のルーチンワークに強いこだわりを持ち、場面に合わせた柔軟な対応や環境の変化が苦手。 また、感覚の過敏さも特徴だが、逆に、感覚に対して極端に無反応である人も。
「注意欠陥多動症(ADHD)」
- 「不注意」「多動性」「衝動性」が主な特徴として挙げられ、じっとしていることが苦手で、 活発な行動を抑えることが難しい。 また、関心を持つ対象が極端で、それに対するこだわりが強いことも傾向として見られる。
- 集中力を継続することが難しく、注意力が散漫になりがち。 例えば、物を無くす、決められた時間を守ることができない、少し前の出来事を忘れる、 などの特性が強く出るため、対人関係や仕事など、日常生活で支障が出やすい。
「学習障害(LD)」
- 読み障害、書き障害(併せて読み書き障害となることも多い)、算数障害の大きく3種類に分類され、 特定の学習行為における支障が出やすい。
- LDは「読み書きができない」という限定的な状態のことを言う。 知的障害と症状が似ているため、混同されやすいが、LDは全般的な知的発達の遅れは見られないため、 知的障害とは異なる。
- コミュニティで取り決められたルールを守るのが難しい
- 非言語コミュニケーションが苦手
- 興味や関心を持つことが偏りがちになる
- 行動面でのこだわりが強く、柔軟性がない
- 音や光などへの感覚過敏が強い
②どのように発達障害と診断されるの?
(1)発達障害はどうやって診断する?
発達障害は、個人によって異なる特徴が現れます。 そのため、正確に診断するためには、心理検査や生育歴のデータを集めるなど、総合的な評価が重要。 では、実際にはどのように診断を進めていくのでしょうか?テストでの診断
発達障害の診断には、病院などでの医療機関において、心理検査が重要な役割を果たします。 一般的に使用されるのはWAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)という知能検査。WAIS™-IV知能検査 Wechsler Adult Intelligence Scale - Fourth Edition 略称 WAIS-IV(ウェイス・フォー) WAIS-IV知能検査は、ウェクスラー成人知能検査WAISの最新日本版です。 16歳0カ月〜90歳11カ月の青年および成人の知能を測定するための個別式の包括的な臨床検査であり、特定の認知領域の知的機能を表す4つの合成得点(VCI、PRI、WMI、PSI)と全般的な知能を表す合成得点(FSIQ)を算出します。WAISは、言語、思考、記憶、処理速度などの複数の認知機能を評価し、知能指数を算出します。 この検査により、知能の特性や個人の強みと困難を把握するだけでなく、発達障害の度合いの判断も行うことができます。